今年の花粉は例年よりも飛散量が多い!?早めの対策を!

こんにちは、コラムを担当している薬剤師の森口です。

春の訪れとともにやってくる花粉症の季節。

くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの症状が集中力や気力を奪っていきます。

2024年の飛散量は、例年と比べて多いとの予想が出ています。

適切な対策をとって快適な日々を過ごしましょう。

この記事では薬剤師が花粉症に有効な薬、日常でできる対策について解説しています。

 

目次

日常でできる対策は?

花粉症に有効な薬は?

花粉症の症状について

まとめ

 

日常でできる対策は?

 

マスクの着用

今では随分とマスクを着用する人も減ってきましたが、花粉にも有効ですね。特に飛散量が多い日には必須ともいえます。

 

室内清掃

室内の清掃をこまめに行い、花粉の溜まり場となる場所を減らすことが大切です。

 

窓の閉鎖

花粉の多い季節には窓を閉め、室内を遮断し花粉の侵入を防ぎます。ちなみに私は、一年中窓を一切開けないという方法をとり害虫や花粉などのアレルゲンの全てをシャットアウトして生活しています。

 

空気清浄機の利用

室内には空気清浄機を導入して、花粉やホコリを取り除くと良いでしょう。

 

適切な服装

外出時には帽子や眼鏡を着用し、花粉の直接的な接触を避けます。眼鏡にはレンズのサイドをガードし、眼に花粉が入らないようにするものもあります。

 

花粉症に有効な薬は?

 

その① 抗ヒスタミン薬の使用(飲み薬)

抗ヒスタミン薬は様々な種類がありますが、今回は以下の3つの薬について紹介します。

 

セレスタミン(市販薬なし)

24時間効果が続くため、1日1回の投与で症状の緩和が期待できます。

 

ロラタジン(市販薬あり クラリチンEXなど)

高い抗ヒスタミン効果があり、一般的には1日1回の投与で十分な効果が得られます。

 

フェキソフェナジン(市販薬有 アレグラなど)

眠気の副作用が少ない抗ヒスタミン薬とされています。

 

抗ヒスタミン薬に共通する副作用として眠気があります。お仕事中などは眠気が出ると業務に支障が出るかと思います。人によって眠気が出ても良いと思う方もいらっしゃるかと思いますので?抗ヒスタミン薬の効果と眠気を対比させた表を添付させていただきます。もちろんお薬なので個人差も大きいですが参考にしてご自身に合うものを医師または薬剤師と相談しながら探しましょう。

図1. 抗ヒスタミン薬の眠気と効果の対比

 

その② 点眼薬の利用

目のかゆみや充血に対して、パタノール(オロパタジン)、アレジオン(エピナスチン)などを使用します。これらは残念ながら市販では販売しておりませんので、医師の処方を受けましょう。

 

その③ 予防薬(点鼻薬、飲み薬)

(通年アレルギー症状のある方または予防)

 

個人的にはこの部分が一番重要だと思います。重症な場合は医師の診断と指導に基づき、ステロイド鼻薬(フルチカゾン、ベクロメタゾン)や抗アレルギー剤(モンテルカスト)などの予防薬が有効です。

予防にはステロイドの点鼻薬が一番良いのではないかと思っています。

その理由は、強力かつ、副作用が少ないことからです。ステロイドと聞いて副作用という言葉が頭をよぎった方もいらっしゃると思いますが、この点鼻薬に関しては循環血中への移行が少ない、つまり鼻のみで作用するため非常に安全に使えるお薬なんです。なんと眠気もありません!

医薬品の添付文書には、副作用頻度についての記載があります。ご不安な方のために紹介させて頂きます。

今回はフルチカゾンプロピオン酸エステル(フルナーゼ)の副作用発現頻度を紹介します。

副作用発現頻度は、フルチカゾンプロピオン酸エステルエアゾール剤において、飛散前及び飛散初期で2.2%(2/92例)及び飛散中期及び後期で1.7%(3/175例)に認められた。その内訳は飛散前及び飛散初期で鼻出血2.2%(2/92例)及び飛散中期及び後期で鼻出血0.6%(1/175例)、鼻内刺激感0.6%(1/175例)及び鼻内痛0.6%(1/175例)であった。

これをみるとほとんど副作用が発生しないことがわかると思います・・!

ステロイドは本当にすごい薬なのです・・・!

 

最後に花粉症がどういったプロセスで起こるのか紹介しておきますね。

 

花粉症の症状

 

花粉症は花粉がアレルゲンとなり引き起こされます。

くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどが症状として現れます。

これらの症状は体の免疫反応によって花粉を体外へ排出しようとして引き起こされます。

 

図2. 花粉症発症のメカニズム

 

まとめ

今回のポイントについておさらいしておきましょう。

  • 日常生活でできる対策
    • マスクの着用
    • 室内の閉鎖
    • 窓の閉鎖
    • 空気清浄機の利用・・などなど
  • 有効なお薬について
    • 抗ヒスタミン薬(眠気があるので注意が必要)
    • ステロイドの点鼻薬(おすすめ!)

花粉症には様々な対策とお薬による対策があります。最近では花粉症自体を治療する方法もあります。

日常生活では、マスクや清掃、お薬による対応を組み合わせ、医師や薬剤師のアドバイスを受けながら、個々の症状に合った対策を見つけましょう。

病院へ行く時間がないという方は、オンライン診療なども利用してみるといいかもしれません。予約してお昼休みなどに診療を受けることができます!便利な世の中になりましたね!

それではまた次回のコラムでお会いしましょう!

お読みいただきありがとうございました!